満足するのは難しい。でも最高。【Review】第34節 水戸ホーリーホック戦

満足するのは難しい。でも最高。【Review】第34節 水戸ホーリーホック戦

まず初めに、試合の最後にポストに強打して救急車が出動する事態になった松井が、精密検査を受けて帰路についたとのリリースがクラブからあり、また本人もインスタを更新して無事を報告していたということで、とりあえず大事に至らなくてほんとうによかったです。100%回復してピッチに戻ってきてくれることを期待しております。 さて、試合についですが、まぁ〜よく勝ちました。しかも3-0なんて。
正直逆のスコアでもおかしくないような、望外にも思えてしまう結果だったように思います。
ただ、望外だろうと想定内だろうと、3-0の勝利は最高の気分でありました。もうほんとにありがとうございますって感じです。

スタメン

新潟は4試合連続で同じスタメンで臨みます。またベンチにはDF登録の選手を入れていませんでした。これは試合後吉永さんも仰っていたように「我々は攻撃的に行く、勝つことしか考えていない」といったことの表れでもあったようです。
水戸も2試合連続の同じスタメンで、CBには宮、瀧澤という左利きコンビが起用されました。

前半

最初に後ろから丁寧に繋ごうとしたところを中盤でカットされたシーンがありましたが、その後は大武と舞行龍が1つずつロングフィードを送る形があり、予想通りプレスに来る水戸に対してシンプルな形で悪くない入りを見せていたように思います。

すると5分。ほぼ最初のチャンスで先制点を奪えました。
左サイドからのスローイン。振り返るとこのスローインへの流れも舞行龍のフィードが始まりでした。一旦は奪われましたが全体を押し上げたことで水戸のパスを中盤で拾うことに成功していました。
そしてそのスローイン。ゴメスがシルビーニョへ入れてから再びもらうとゴール前へ侵入して行きます。DFに進路を塞がれたため一度キープをすると意表を突いたヒールパス。そこへ走りこんだシルビーニョがループ!

シルビーニョが魔法をかけてくれました。美しい放物線を描いたボールはGKの頭を越えてゴール右隅へ見事に吸い込まれました。
もう興奮も興奮です。新しい環境大臣じゃないですけどまさにセクシーなシュートでした。ああいうプレー大好きです。
また、両チームの監督が試合後に立ち上がりの1点が大きかった旨のコメントをしていましたが、それだけこの試合において貴重であり、重みのある先制点となりました。

幸先よく先制点が取れたこと以外でも、序盤は入りのロングフィードから少しずつビルドアップする形も比較的うまくできていたように見えました。しかし徐々にリズムが悪くなっていくと同時にピンチも増えて行きます。
9分には前のくさびを黒川がスルーして小川のシュート。
14分には福満と黒川の連携から右サイドを突破されると最後は中央の白井がミドルとヒヤッとさせられるシーンを続けて作られます。
また、11分には木村の右サイドからのFKを小川にあわせられた場面もあり、前節に続いてセットプレーの不安が今節も顔をのぞかせていました。

22分に新潟は、新井のクロスをレオが収めて落としたボールを新太がシュート。
さらに30分には、大武のくさびをシルビーニョが落としサチローがスルーパス。フランシスが抜け出しかけるチャンスを作ります。
落ち着いたビルドアップからいい形を作って少し盛り返してきたかに思えましたが、やはり水戸のペースであることは変わりません。

31分にはSHとボランチの間を通されて岸田に裏を取られたり、34分には中央で黒川に拾われて最後は小川にシュートを打たれたり。
最大のピンチは41分。
カウンターのカウンターで黒川に左サイドから持っていかれると、中央で待っていた小川のシュート。大武が体を投げ出してブロックするも、こぼれ球を岸田がつないで再び小川のシュート。今度は大谷のファインセーブでなんとかしのぎました。

前半終了、1-0。どうにかこうにか無失点で持ちこたえた前半だったと言っていいのではないでしょうか。

後半

開始15秒。レオのミドルシュートから後半は入ります。セカンドボールを拾った新太の鋭い出足が光っていました。
続けて49分。今度は善朗が素晴らしいボール奪取からドリブルで運びます。左サイドに開いていたレオからサイドチェンジが新井に通ると、中央のシルビーニョ、善朗、フランシスと繋がり、最後はシルビーニョが右足アウトサイドで狙いましたがポスト。
さらにフランシス、レオ、もう1回フランシスと詰めに行きましたが水戸の懸命な守備に阻まれました。

いい感じで後半も始められましたが、守備で我慢を強いられる展開の根本は変わっていませんでした。 50分、左サイドの深い位置で木村に受けられて最後は黒川のシュートまで至った流れも、同数で守ってはいるものの水戸の狙い通りにボールを動かされてしまっているために奪いに行けなかったり、53分も同じく左サイドからの攻めで、大外の志知から新潟のCB、SB、SH、ボランチの4人の真ん中のスペース(いわゆるハーフスペース)を木村に綺麗に使われたりして、どちらもゴール前で何とか耐えしのぐという状況を強いられます。

さらに59分には大ピンチ。
右サイドからパスを受けた前がミドルシュート。走りこんだ小川がヒールでコースを変えてきますが大谷のナイスセーブ。さらにセカンドボールを黒川にシュートを打たれますがここは小川に当たって事なきを得ます。
この日は1試合を通じて大谷に2、3点は救われていたかと思います。今節のMVPだったといっても過言ではないでしょう。
それくらい素晴らしい働きをしてくれました。ありがとう、大谷。

70分水戸が最初の交代。白井→茂木を投入します。
茂木は左SHに入りボランチに木村が移りました。アタッカータイプの選手を入れてギアを上げにかかります。
直後には新潟もゴメスとレオの連携から左サイドを突破して惜しいシーンを作りましたが、そのすぐ後にはやはり水戸に左サイドを突破されてしまいます。
この直後に新潟も最初の交代。フランシス→貴章を投入して右サイドに手当てを施します。この交代によってサイド深くまで破られる心配は随分と軽減できました。

ここから新潟も善朗やシルビーニョのシュートシーンが作れたりしてお互い突き合う展開も増えて行きます。
そんな展開の中でも新潟としては途中から入った貴章と達也さんのおかげもあり、水際で耐えるケースはかなり減らすことができていたように思います。サイドバックの位置に降りたり、サイドでの崩しに加勢したりする相手のボランチに対しても、達也さんが丹念に追ってくれたことで後ろとしては守りやすくなっていました。

そして、アディッショナルタイムに突入するとそんなベテラン2人と同様、途中から投入された至恩が魅せてくれました。
+2分、中盤でカットしたサチローがサイドチェンジ。左サイドで至恩が受けるとインナーラップしたゴメスへ預けてからもう1回外でもらいます。
ここから至恩の仕掛け。1人目を縦に突破してからグッと中へ侵入すると、2人目を1回シザースを入れてから右へかわしエリアへ入ったところで相手の手がかかって倒されます。
主審の清水さんは迷わず笛を吹いてPKスポットを指しました。

レオの言葉を借りれば「ネイマールやメッシのような」わくわくする仕掛け。その人がボールを持っただけでスタジアムのテンションが上がるという選手はそうそういません。
まだまだ足りない部分も多いのかもしれませんが、そう遠くない内にそれこそネイマールやメッシと同じピッチでやりあっている彼を想像してしまうのは現実味のない夢物語でしょうか。いや、そんなことはないと勝手に確信しております。
これで得たPKはレオがきっちりと決めてくれました。

そして終盤も終盤。水戸はCBの宮を前線に上げてパワープレーを試みますがそれを尻目にゲームを締めくくったのも新潟のエースでした。
+5分、左サイドでテンポよく繋ぎ、レオが間で受けると素早く前を向いてドリブルで仕掛けます。サチロー経由で右サイドの新井まで展開されると、フリーの新井は足を振り切らずストレートのボールをゴール前へ。フリーで待っていたのはレオ!
ダメ押しの3点目、自身の今季20点目で蹴散らしてくれました。

試合終了、3-0。
3ゴールもさることながら8試合ぶりの完封を曲がりなりにも達成できたということが、大変気持ちのいいものでした。

守備のバランス

完封について”曲がりなりにも”と付けたのはご覧になった方であれば納得していただけるとは思いますが、そんな守備について。

図を2つ作っていただきました。
まず1つ目は前半のところでも少しだけ書いた31分のシーンですが、CBの瀧澤がフリーで新潟陣内へ入ってきて新潟のSHとボランチの間を通して岸田に裏を取られたシーンです。
岸田に付いていた新太はもう少し内側のパスコースを消す立ち位置を取っていてもよかった気がします。
特に瀧澤は左利きなので内側を通して外へ流れるようなパスを角度的に出しやすい選手です。だからこそやや極端にでも絞ることで外へ出させてから外へ追い込むように寄せるという守り方でもよかったのかなと思いました。

もちろん、そうするとどうしても少し下がった位置に立つ必要があり、全体が後ろに重くなりかねません。
ただ、前線2人にそれほど守備のタスクを課していないと考えれば、それくらい重くなってでも割り切ったブロック守備ができればいいのかなと感じました。

そして2つ目がその割り切った形に近いシーンです。
34分、同じように瀧澤がフリーで運んで来る中で、新太は岸田に付きすぎず中へも対応できるように守ったことで結果的にかなり下げられています。
ただ、何度か裏を取られていた“サイドの守備”という観点で言えば、最悪これでもいいのかなとは思いました。

しかし、結局このシーンも真ん中を通されてフィニッシュまで行かれてはいるので“全体の守備”で言えば決して十分ではないのだと思います。
そう考えると、やっぱりもう少し前線2人にがんばってほしいと思わずにはいられませんでした。実際この2つ目のシーンでは新太が下がりながら前線に対して恐らくボールホルダーに寄せてくれ的な注文を付けていましたし、ゴメスも試合後に「もうちょっと早い段階でボールを奪いたいところもあるんですけど、なかなか前線からの守備が機能しない中で……」と話していましたから、前線の守備の物足りなさは否定できないところではあるように感じます。
だからこそ貴章や達也さんの存在の大きさを改めて感じることにもなっているわけですが。

当然そんな高い位置でボールを奪う必要もないですし、奪えるようなプレスをかけないといけないとも思いません。もう少しだけ寄せるとか、ちょっとちょっかいを出せるくらい近づくだけでもいい気がします。それだけでもパスコースを限定することはできますし、そうでなくとも、持ち方に制限がかかれば、自然と次のプレーは限定することができます。
そういう守り方を好む、好まないとかの嗜好はとりあえず置いといて、そういう守り方が合理的であれば全員が応分の負担を請け持つ必要はありません。ただ、現状のバランスや構造だと単純に守り切るのは厳しいですから、調整は必要なのかなと思いました。

運ぶ力

ビルドアップからチャンスを作るという点では吉永さんが「大きな穴のない」「ここ最近で一番頭を悩ませた」と仰っていたほどの水戸を相手にしても、ここ数試合同様いい形を何回か作れていたのはよかったところではないでしょうか。
特に28分50秒過ぎの左サイドからゴメス、サチロー、善朗、舞行龍、新井と繋いだシーンや、前半のところでも少し書いた29分55秒頃のフランシスが抜け出しかけたシーンなんかは、1つ飛ばしてから飛ばされた選手が前向きでボールを受けて、またさらに奥へ送るという形でボールを動かせていて、恐らく練習からやっているのだろうなというのを感じました。

また、水戸のペースが続く中で奪った後の1つ目2つ目のパスが通らずもったいないなぁと感じるシーンが特に前半は少なくない印象でしたが、そうなった際に“またブロックを作って守備からやり直しましょ”といった感じで、必要以上にボールを失ったことへのストレスを持たずにやれているように自分には見えて、それもよかったのではないかなと感じました。

最後に

そういえば、ツイッターで円陣ダッシュについてのツイートをいくつか目にしましたが、確かにこの日の円陣ダッシュは最近中途半端気味だったレオやシルビーニョなんかも走っていました。
ちょっと前にウチさんがコラムでそれについて少し言及されていたりもしていましたが、誰かが“もう1回ちゃんとやろうぜ”みたいな声掛けをしたのかもしれません。いや、完全に想像なので分かりませんが。
ちゃんとやっていればそれでいいなんてことではないと思いますし、たぶん結果が出ていればちょっと中途半端でも突っ込まれることはないのかもしれません。ただ、せっかく長いことやってきたことですし、やっぱりああやってみんなが走ってくれると中途半端よりは当然気持ちも上がりますし、これからも継続してくれたらなとは思います。
何より全員やってくれると綺麗ですし。

あと、ゴール後のセレブレーションもこの日は国籍問わず選手たちが駆け寄ってきて喜んでいる光景が見られました。
ブラジリアンが躍るのもあれはあれで嬉しいし楽しいんですけど、やっぱりああやってみんなが駆け寄って笑顔で喜んでいる画は最&高です。
別にセレブレーションなんて何やってくれたってゴールが入っているわけですから全部が全部同じだけ嬉しいし最高なんですけど、これからの残り試合はみんなが駆け寄って喜ぶパターンとブラジリアンが躍るパターンとどっちも見られるように毎試合複数得点取ってくれることを期待したいと思います。何だったら日本人選手で盆踊りみたいなの踊ってくれてもいいですし。

こんな他愛もないわりと緩めな話題で今回は締めたいと思います。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。

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