バイタル、空いってる【Review】第6節 モンテディオ山形戦

バイタル、空いってる【Review】第6節 モンテディオ山形戦
こんにちは。
この土日はいよいよなでしこリーグが開幕しました。
来季から新しく始まるWEリーグについては一気にバタバタと話しが進んだ印象があり、個人的には正直大丈夫?という小さくない心配を感じてはいるのですが、まあそれはそれとして、とりあえず現体制でのなでしこリーグは今季がラストとなります。
昨年復帰した奥山監督が継続して指揮する今季のアルビレックス新潟レディースですが、開幕戦はアウェーで仙台相手に見事1-0で勝利しました。
苦しみつつも新加入選手の活躍もあって……
すんません、まだフルでちゃんと見られてないのでどんなゲームだったかは分かりません。
しかし、今季は1部リーグ全試合YouTubeチャンネルで生配信、さらにアーカイブも残るということで、昨年は現地に行っている方のツイートなどで想像するしかなかったところも、今季は全試合映像でチェックできるようになりました。感謝感謝です。ですので、開幕戦もあとでしっかり楽しみたいと思います。

スタメン

 
さて、男子の方のお話。
決して何も悲観することはない。でもモヤっとしたところは残る。2試合続けてのドローです。
とりあえずスタメンから振り返ってみましょう。
3連戦の3戦目ですから予想された通りお互いに前節からメンバーを入れ替えてきました。
新潟の方はマウロ、新太が今季初のベンチスタート。
新井、秋山、マンジーが2試合ぶりで善朗が4試合ぶりのスタメンに名を連ねました。
対して山形は前節から5人変更。
GKの櫛引とボランチの本田が3試合ぶりで、両WBの山田、末吉とシャドーの山岸が2試合ぶりのスタメンでした。

前半

スタメンの図のように新潟は基本の形が4-4-2。ビルドアップの際はボランチ1人が中央やサイドに下りて3人にしてSBを高く押し上げて、SHが内側に入りライン間を狙っていました。
また、ちょっと補足的に触れるだけになりますが26分頃には両CBが開いてその間にボランチが2人とも下りる形もありました。DAZN解説の梅山さんも「意図的かどうかは興味深いところですね」と仰っていたように、狙ってやっていたのか流れの中でそうなっただけなのかは分かりませんが、スペースメーキングのための1つのレパートリーとしては面白いなと感じました。もちろん相手の特徴を考慮した上での判断が大前提ですが。
山形の基本型はDAZNの試合前の予想でもそうだったように、アンカーを置いてシャドーボランチ2人の前に2トップという3-5-2を予想していましたが、蓋を開けてみると中村駿が本田と共に2ボランチで、山岸、中村充のシャドーという3-4-2-1の陣形で来ました。この選択は山形にとっていい判断だったと言っていいのではないでしょうか。
再開した2節以降のゲームの中では最も0-0の時間が長く推移した試合になったわけですが、そういう点で言えば松本戦と似たような展開だったとも言えるのかもしれません。
山形のシャドーはまず内側に絞って中央へのコースを消し、新潟が後ろを3人にしてビルドアップするのは間違いなく想定済みでしょうから、そうなったらその開いたCBに対してシャドーが出て行きSBにはWBが出て行く。そして、一旦かわされたり、ちょっと運ばれたりすれば素早く帰陣して5-4-1のブロックを敷いてスペースを埋める。そんな山形の前に新潟はなかなか思うように楔を入れられず、決定的なシーンはあまり作れませんでした。
これがまず山形が3-5-2ではなく3-4-2-1にした1つの効果だったかと思います。プレビューでも少し書きましたが、アンカーとシャドーボランチの中盤3人だとどうしてもサイドにプレスが掛けられず運ばれやすいリスクがありますが、それを中盤4人にしたことで強固なブロックが築かれることとなりました。
新潟的に前半一番惜しかったのは、6分にあった善朗からのFKをゴンサが拾ってゴール前に上げたクロスにファビオがオーバーヘッドで狙ったシーンでしょうか。松本戦でも決勝点となったセットプレーからのチャンスでしたがここは残念ながら防がれました。
逆に山形の攻撃面では、試合中梅山さんも仰っていたと思いますが、前節と比べて縦への速さが見られて新潟よりも効率的にシュートまで持っていく、もしくはゴール前まで運べていたように思います。
26分の中村充がエリア右から入って来てシュートに持ち込んだシーンなんかは、中盤で新潟のビルドアップのミスをカットしたところからの“これぞショートカウンター”という形でした。また、縦への速さは何もカウンターに限った話ではなく後ろから繋ぐことにも言えます。これがもう1つ3-4-2-1にした効果、というよりもこちらは前節からの改善と表現した方がいいでしょう。
38分の左サイド深い位置で山岸にキープされてから内側を山田にえぐられて折り返されてあわやというシーンも、右サイドで末吉が奪ってから中盤で繋いで左まで持っていかれているのですが、この中盤で繋がれたところがレシーバーとしてボランチが2人いたところに前節からの改善がありました。
ちょっと山形目線で書き過ぎましたが、試合後のコメントで石丸さんが「ゲームプラン的にはチームが狙っていた通りの形で進んでいました」と言われてしまうくらい、新潟は山形の術中にハマってしまいます。
だからこそ前半は0-0で折り返せれば申し分なかったとも言えますし、逆に言えばあそこまでスコアレスで引っ張れたのなら何とか前半はそのままやり過ごしたかったところでした。
42分、中央右から熊本が出てきてスルスルっとボールを運ばれアーリークロス。DFの間にポジションを取り絶妙なタイミングで飛び出した大槻にフリーであわせられました。
前半終了、0-1。

後半

前節同様新潟が先に後半の頭から動きます。
ロメロ→至恩。そのまま左SHに入りました。
すると初端から仕掛ける姿勢を見せて、チームもそんな至恩がいる左サイドを中心に勢いが出るようになります。
これは信頼する友人との試合後の感想戦でその友人が言っていて、改めて「確かにそうだったな」と思ったことですが、前半は2トップ+両SHが内側に入ることで中央がやや渋滞気味になってしまっている印象がありました。それが山形の堅い守備ブロックとも相まって楔を入れづらい状況を生み出していたように感じましたが、至恩が入って彼の特長を活かす意味でも外側に張ったことで、後半はリズムが生まれたように感じました。
52分には田上の直接FKがあり、開始10分の間にCKは5本もあって、55分過ぎには3本連続のCKから秋山と至恩のシュートなど新潟は押し込んでいきます。さらに61分には左サイドから至恩が縦に突破してクロスを上げ、ファビオがあわせる決定的なシーンも作りましたがここは櫛引のファインセーブでゴールを奪えません。
かなりゴールの匂いがしてきている中で62分にはゴメス、善朗→大本、新太と2人入れ替えます。右SHに新太、新井が左SBに移って大本を右SBに入れましたが、その直後でした。
左サイドのスローインから後ろを経由して右の大本に渡ると、縦に少し仕掛けてから左足に持ち替えてクロス。それをファビオが胸で収めてシュート!同点!ファビオえぐいっすね。
左腕と腰だけで抑えられて最終的には倒れ込んでしまったDFが、タフに戦えて対人のバトルにも定評のあるあの早稲田のア式蹴球部出身で、現在J2リーグの中でも屈指の強さを誇る熊本であることからもファビオのすごさがさらに際立った感じがします。しかもそんなパワーを見せたかと思えば柔らかい胸トラップからのシュートという繊細さも兼ね備えているという……まあ…なんというか…
今年あと2回も移籍ウインドウが待っているのは恐いです…。
失点から5分後、山形は中村充→凌磨を投入してきます。
凌磨もうちの至恩同様に、入って早々からよくボールに関わり、後半は押し込まれて苦しい時間が続いていた山形を活性化させていました。
またこれは少し補足として、同点になる前に新潟が2人交代をしているタイミングで恐らくテクニカルエリアに出てきた石丸さんが「(大槻)周平!周平!ちょっと一個ライン下げよう」と声を掛けていました。
たぶん押し込まれている中で一旦割り切って自陣にブロックを下げて我慢しようという意図だったとは思いますが、結局その直後に失点してしまってまた点を取りに前へ出ないといけなくなったこともあってか、それ以降あまり大きな変化は感じませんでした(ひょっとすると自分の印象が間違っているだけかもしれませんが)。
少しずつ疲労もありスペースもできてくる中で、新潟はやはり至恩と史哉投入でSHとしてもプレーした大本を中心にサイドから仕掛ける形で攻めます。飲水タイム以降は完全に相手陣内へ入った状態でボールを動かして押し込む時間帯もありましたが、72分CKのこぼれをボレーで狙った新太も、80分のカウンターを起点に得意のエリアからシュートを狙った至恩のチャンスもゴールとはなりません。
山形はセットプレーで終盤は特にゴール前に迫るシーンを作りましたが、こちらも決定打は出ず。
ちょっと終盤は簡単におさらいしちゃいましたけど、連戦だったから勘弁して下さい(理由にならない)
試合終了、1-1。
ホーム山形戦は引き分けが続いている印象がありましたがどうやら4試合連続(2020,2019,2018,2015)のようです。つまり18年にJ2での戦いとなってからはずっと引き分けなんですね。

また出た悪癖を狙われて

試合後の会見で敵将の石丸さんに「バイタルが空くので」と言われてしまった通り、今節もまんまとウィークポイントをさらけ出してしまいました。
あの失点シーンを振り返っても、アシストした熊本に対してロメロが行ってはいますが、2度追いのため背中から追いかける状態となっているためほとんどプレッシャーを与えることが出来ずに運ばれてラストパスを出されています。
失点シーン以外でも、17分には左サイドからエリアの外へパスを出され、最後はやはり熊本がミドルというシーンがありましたが、ここもやっぱり不用意にスペースができています。このシーンの直後に舞行龍の「パス下げたらライン上げろ!」という声掛けもマイクに入っていましたが、確かに全体が下がり過ぎていて、特にボランチが2人とも後ろに吸収されているのは減点ポイントと言わざるを得ないでしょう。
ただ、じゃあとりあえず全体のラインを上げればいいとか、ボランチがあんまり動き過ぎないようにすればいいとかっていう簡単な話ではなくて、クロスを拾われた2次攻撃から始まった失点シーンで言えば、一旦下げたところで後ろのラインは上げています。だからより必要なのは各ラインの距離感、コンパクトさであり、それを実現するために必要なことが守備の連動なのではないかということです。
これは失点シーンのような低い位置での話しに限らず、前線からの守備でも言えます。むしろ、高い位置で連動した守備ができれば根本から守ることが出来るはずです。

出る時は出る、出ない時出ない

 
図にしてもらったのは前半の14分です。
相手のビルドアップから運ばれるシーンですが、左CBの松本に善朗が出て、それに伴い山田に新井が出て、下りてきた山岸にはゴンサが付いて行っていますが、結局中央の中村駿に繋がれて結果的にサイドのスペースに飛び出した山岸へと渡っています。
ここで注目したいのはボールと反対側の絞りです。
秋山とロメロはちゃんと中央に絞って来ていてはいますが、善朗がスイッチを入れて新井もそれに付いて行ったのであれば、逆サイドに一気に振られるリスクは低いですし(プレスをかけて蹴られたのであればプレスに行った側の責任)、松本にボールが入って山田へパスが出るまでの間でもっと極端に絞れるとよかった気がします。秋山であればゴンサとの距離を縮めて、できるのであれば中村駿への距離も縮める。ロメロであればその秋山が空けた中央のスペースを斜め後ろに下がって埋めるといった流れです。
このシーン以外でも、中盤より高い位置でボールを取りに行ったもののうまくかわされるシーンはあって、問題の失点シーンについても40秒くらい戻ってもらえると右サイドでプレスをかけたものの上手にかわされて逆サイドまで展開されています。
プレスのスイッチが入った時は全体で寄せる、そして寄せたのであれば奪い切る(最悪止める)といったことへの多少の曖昧さが、ここ数試合でもちょっと気になるところはありましたが、この日は特に感じました。
開幕前、ポゼッションに注目が集まる中で選手達からはボールを奪いに行く部分をより強調されているという言葉がよく聞かれので、今年はひょっとするとかなりのハイプレスや、奪われた後のゲーゲンプレスみたいなものになるのかと、楽しみの半面かなり心配も抱いていました。それでも開幕戦を見ると思ったよりバランスを見ながら構える時は構える守備をしていたので安心したのをふと思い出しましたが、そのバランスに関してのちょっとした誤差やズレみたいなものをもっと擦り合わせて行く必要に今は迫られているのかなと思います。

最後に

いろいろ面倒に遠回りして考えてみましたが、まあとにかくバイタルが空いてしまうという局面の問題を応急処置でも何でも手当したいところです。
ただ、こんな風にああでもないこうでもないとか、あのプレーがどうだったとかこうだっとか悩んで考え込んでいるうちにどんどん試合が来て「そういえばリーグ戦ってこういう感じだったな」と再開してから5試合、初めての3連戦も消化したこのタイミングで改めて感じています。
これを書いている月曜日にはセレッソから中島の育成型期限付き移籍加入が発表されてちょっと驚きましたが、新しい仲間と共にまた次の試合の勝利に向けてがんばりましょ。
くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。

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