五月雨を 眺めて映し 初黒星【戦評】第14節 FC町田ゼルビア戦

五月雨を 眺めて映し 初黒星【戦評】第14節 FC町田ゼルビア戦

こんにちは。

雨の香りがします。
先週末は木曜あたりから急に暑くなったのでちょっと体がどうにかなりそうでしたが、今週からはしばらく雨で気温も下がるということなのでこの香りにホッとしてます。

2カ月半謳歌した日々の芳しい香りはふと去ってしまいました。
残念ではありつつ、その香りには無敗継続がいつまで続くかみたいなプレッシャーという名の余計な雑味みたいなものも混じっていたので、それが消え去ってちょっとホッとしてもいます。
かつてアーセナルが達成したように、無敗優勝というのは不可能ではありません。しかし基本的にはあり得ない話でしょう。1年という長いスパンを戦うリーグ戦はいつか負けるものです。

と、そんな分かったようなことを言いつつ、また『ホッとしている』なんて言って何も気にしていないように見せつつ、やっぱりいざ負けると悔しいものは悔しいです。
でもそれでいいのです。そうやって強くなればいいのです。
今のアルビレックスはそんなことを綺麗事でなく自信を持って言えるチームだと思います。

スタメン

ではいつも通り思ったことを書いていこうと思います。
まずはスタメンから。

新潟の方は前節から1人変更。
ケガのため7節を最後に欠場が続いていた孝司がいよいよ帰ってきました。そして彼が最前線に帰ってきたということで、カイトがそれに伴い右SHへとポジションを移しました。

対する町田の方は前節からの変更が2人。
まずCBに10試合ぶりのスタメンとなる水本を起用。
これまで全試合スタメンだった深津は前節前半のみで交代していたのですが、どうやらどこか痛めた影響もあったようで今節はベンチとなりました。

また左SHには2試合ぶりのスタメンとなる太田を起用。それによってこれまで左SHで出ていた平戸がボランチへと移っていました。
さらにSBに関しても、いつもとは逆で右・奥山、左・三鬼という配置にしていました。これは試合後奥山が話していたように至恩を意識しての変更だったようです。前節の松本もそうでしたが、各チームがそれぞれ明確に至恩対策を施すようになっています。裏を返せばそれだけ脅威であり圧倒的な選手ということでしょう。

2トップ脇でこんにちは

後半リズムが良くなった点において、運ぶというところで感じたことを先に書いていこうかと思います。
その一例として図にしてもらったのが54分です。

ゴメスのスローインから攻撃をやり直す場面。舞行龍にボールが渡ると、相手の2トップ脇にヤンが下りてボールをもらいワンタッチですぐに返します。
再びもらった舞行龍は中央に持ち出そうとしつつ一旦千葉へと戻します。すると今度はヤンが受けたのとは逆の相手2トップ脇に善朗が顔を出してボールを受けました。

このシーン自体は大きなチャンスやシュートまでいったわけではありません。先週このオレラグ内のオレンジノートコラムでも書かれていたような、まさしく「作ってる」シーンです。
そんな「作ってる」シーンにおいて、この日は後半になってからこの図のシーンのように相手の2トップ脇に誰かしらが顔を出しつつ、ボールを出し入れするシーンが多くなっていたように感じました。

それによってどんなことが起こったかと言うと、まず舞行龍からヤンが受けたところでアーリアを引き寄せます。ワンタッチでリターンしたことで相手2トップの門がやや空いたところを舞行龍が少し突っかける姿勢を見せることで、今度は町田の全体の意識を中央に引き寄せます。そして一旦千葉に戻した後、先ほどとは逆の2トップ脇に下りた善朗にボールが渡ることでここではボランチの高江を引き寄せます。
このように相手を上下左右に動かすアクションが後半はより意識的に行えるようになっていたように感じました。

逆に言うと前半は、善朗や至恩が極力下がらず相手のライン間かもしくは大外で受けようとしており、またボランチも下がってビルドアップをサポートする際にCBの間や脇にしっかり下がり切って前向きの状態を作って受けるシーンが多くあったかと思います。
ただ町田からすると、新潟の最後尾には多少持たれることも許容しつつ、ライン間は横へのスライドで上手に消しながら守るという、ある意味対応しやすいシチュエーションとなっていることが、特に前半30分頃までは続いてしまったような気がします。

正直54分のシーン自体も、町田は特別難しい対応を迫られたり組織を壊されたりしたわけではありません。
ただ新潟としては、段差を作って町田を上下左右に揺さぶって体力的にも追い込むアプローチとなっていましたし、押し込んだり崩したりするための下味作りがしっかりできるようになっていた一端のようなシーンだったのかなと思ったので、このシーンを拾って触れてみました。

求む裏抜けとあっぱれ町田

前半相手を動かすアクションが足りなかったという点でもう1つ。
解説の渡邉一平さんも試合中に仰っていたように、裏に抜ける動き出しというのが物足りなく感じる部分はありました。

とは言いつつ、現地で見ていたわけではないですし、映像だと見られる範囲も限界がありますから、動き出しについて完全に把握できたわけではないのであんまり断定することもできません。とはいえ少なくとも裏にボールを送る、チャレンジする回数というのが少なく感じたのは否めません。
またいくつかチャンレジした際も、中央のエリアに送ることが多く感じられ、もう少し内から外へ、サイドのスペースへ抜ける動きがあってもよかったのかなとも感じました。

例えばそれで味方に通らなかったとしても、必然的に相手の攻撃はサイドの低い位置からになりますから、そこで前からプレスを仕掛けるということも、1つの攻撃のアクションとして持つことができます。
今季善朗が内側のポジションからサイドに抜けるみたいなシーンは1つの攻撃パターンとしてできていましたから、それがこの日ももう少し見られてもよかったかなというのは感じました。

ただそれと同時に、町田としてもそこはしっかり考えられていたのかなという印象もありました。
失った後の速い切り替えや高い強度というのは今季の新潟の強みでもあります。そこにまんまと嵌められてイージーに引っかけられないように、シンプルでもいいからしっかり広い方へ展開してプレッシャーをかわそうということで、ボランチを直近3試合スタメンだった守備が特長の森下ではなく、しっかりボールを動かせる平戸にしたのかなと感じました。
後半、町田は押される中にあってもボランチの2人は結構意識的に大きくサイドを替えるボールを蹴っていた印象があり、もしかするとそんな意図もあったボランチの人選だったのかなと勝手に推測しました。

まあ、この見立てが正しいかどうかはどっちでもいいとして、左右を入れ替えたSBのコンビで先制点を奪い、さらに平戸のポジション変更に伴い2試合ぶりのスタメンとなった太田が2点目を奪い、1点は返されたものの組織的なブロック守備は集中を切らさず、最後は5バック+テセのキープで逃げ切ったわけですから、町田の選手とポポヴィッチさんの采配はあっぱれといった感じです。

最後に

14試合目にして今季初めて負けてしまったわけですが、とりあえず今言えることは、次の試合がとっても大事だということと、この1敗によって何か不安に苛まれたり気持ちが揺らいだりするほど、負けなかった13試合で培ってきたものはやわじゃないでしょうということです。

沈んでネガティブになりすぎたって勝ち点は戻ってきませんし、スパッと切り替えたからって次の試合の勝ち点が保証されるわけでもありません。
好きなもん食べて、好きなもん飲んで、プスカシュ賞も夢じゃないヤムケンのオーバーヘッドでも見ながら、また1週間少しずつ気持ち高めていきましょう。

くりはら
くりはら
鳥屋野潟ほとり出身のアルビレックス新潟サポーター。海外はアーセナル推し。Jリーグ、海外、2種、3種、女子、その他、カテゴリーは問わずサッカーが好き。ラジオも好き。某坂道グループもちょっと好き。

オレラグはアルビレックスサポーターみんなでつくるサイトです。#オレラグでつぶやきお待ちしてます!